ドキドキ文芸部の続編はあるのか?Project Libitinaの考察と隠しメッセージの内容

概要

ドキドキ文芸部の謎と続編に関する考察

2周目に出てくる特別な詩で一部分からないものや、データファイルにある隠しメッセージが何を意味するのか、気になって調べてみました。

これらの謎の明確な答えはないようで、代わりに海外のドキドキ文芸部ファンの考察が面白かったので、この記事で紹介していきます。

次回作の考察についても書かれているので、今後発表される新情報の参考になるかもしれません。

두근두근 문예부! – 나무위키

上記ページの一部を和訳しています。

 

 

隠しメッセージ

通常のプレイではメタフィクションとホラーが主となるビジュアルノベルだが、隠されたメッセージの中には、ゲームの世界観から外れているものがたくさんある。またこれらのメッセージをすべて合わせると、1つの大きなヒントにもなる。

以下の隠しメッセージは、charactersフォルダ内にある各キャラクターファイルを既存のchr拡張子から正しい拡張子に変えたものである。

yuri.chr

BASE64でエンコードされたテキストが含まれており、デコードすると文章が出てくる。 ある19歳の女性が殺人鬼になるという内容の、都市伝説系のホラー小説。 この小説は、ダン・サルバト本人が本作を制作する2年前に書いた短編だと明言している。ゲーム本編や以下の隠しメッセージとは事実上、直接・間接的にも無関係なテキストだ。

 

sayori.chr

sayori.chrは元々oggファイルであり、拡張子を変えて再生すると6秒間のノイズが聞こえる。 実はこれはQRコードを再生させていて、スペクトログラムをサポートするプログラムで再生するとQRコードになる。

このQRコードのアドレスはここ。2004年、苗字が「リビティーナ」とだけわかる人間の女性を対象にした「third eye」(第三の目)の能力に関する実験レポートのテキストだ。

この時、実施した実験は「実験過程は成功だが、結果は失敗した。」とある。 そしてこの女性のプロフィールも記載されており、傾向として「自傷行為」、「狂ったように笑う性格」ということから、ユリであることが推測できる。

プロフィール上で唯一、他の人より1才年上という点+レポートで言及された出生日を見ると、これが一致する。 あくまで推測なので、信じる信じないは自由だ。

該当サイトのIPとホスト情報は、ドキドキ文芸部ゲームサイトのアドレスと同じ。BASE64でエンコードされたナツキの詩など、このレポートの内容に関連した様々な隠しメッセージがゲームに仕込まれている。

第三の目が本編と関連のあるものと仮定すると、モニカをはじめとした部長の座にいる人が持つ、第四の壁を見抜くことができる覚醒した能力だと示すことができる。

 

monika.chr

monika.chrは画像ファイルであり、pngに拡張子を変更してイメージビューアで確認すると、次のようなものが表示される。

アナログテレビでチャンネルがつかめない状態のように見える中央の画像は、白黒のドットが散らばっており、黒いピクセルは0、白いピクセルは1、つまり一連の2進数を表現したものである。このピクセルを2進数で解析した後、この2進数列をBASE64でデコードすると、ある文章が現れる。

内容は、上述のプロジェクト・リビティーナの「第三の目」が覚醒した人物と思われる者の独白で、最後に「2018」という数字が刻まれている。

なぜ2018(年)を入れたのかは不明。プロジェクト・リビティーナが、ダン・サルバトが制作している新作と関係があると仮定すれば、これに関する新作のリリース予定年を意味するという解釈がある。しかし、2020年が迫る現在まで何のニュースもないため、現状はわからない。

monika.chrの隠しテキストの話し手はモニカと解釈することもでき、プロジェクト・リビティーナの被験者と解釈することもできる。

あるいは、この2人はそもそも同一人物という仮説もある。 同一人物説はリビティーナという女の子は、マルコフの肖像の世界(ドキドキ文芸部とは別の世界と仮定)からドキドキ文芸部の次元にジャンプし、ゲームを操作して現実世界の次元にジャンプしようと試みているという仮説だ。 またこの仮説を立てたReddit民は「モニカ=リビティーナ」あるいは、「すべてのヒロイン=リビティーナ」である可能性も示した。

その他、白黒バイナリ領域外の割れたような形をした紅炎の輪が何を意味するのかも不明。しかし目を丸く見開いているかのように見える。 または割れた壁の穴を連想させるという事で、モニカが初めて書いた詩を暗示しているという説もある。

 

natsuki.chr

最後のnatsuki.chrはイメージファイルであり、jfifに拡張子を変更してイメージビューアで確認すると、正体不明の絵が表示される。

煙が舞い散ったように見える画像だが、これをモデリングプログラムやフォトショップで円錐形の構造にし、上下にひっくり返して色反転してマッピングすると、以下のような絵になる。

白眼の女性のイラストが出てくるが、本作の絵柄とかけ離れている上に直接関係がなさそうなキャラクターである。一部では、この女性がプロジェクト・リビティーナのリビティーナ本人、あるいは関連のキャラクターのイラストであると推測されているが、確実な情報はない。

 

考察

リビティーナとは何者なのか

これらのメッセージは製作者が準備している別のゲームのヒントかもしれない。そのゲームがドキドキ文芸部と関係のない全くの新しい世界なのか、あるいはドキドキ文芸部の世界とつながりがあるのかは不明だ。

ひとまずリビティーナはローマ神話で葬儀と死を司る神の名前で、そこから借用したものとみられる。ユリがプレイヤーに初めて読ませた本「マルコフの肖像(Portrait of Markov)」という劇中劇ホラーSF小説(?)と関係しているかもしれない。

「マルコフの肖像」は、ある人間を対象としたおぞましい実験施設(架空の宗教集団と関連がある?)に関する内容である。 一部では、このマルコフの肖像での出来事は、ドキドキ文芸部の世界で実際に起きた事かもしれないという仮説も立てられている。

リビティーナ被験者がドキドキ文芸部の世界の人物であり、本作と何かしらの関係があると仮定すると、リビティーナ(エリッサ)はナツキが幼い頃(実験施設に隔離されて?)に失った妹であるという仮説もある。ドキドキ文芸部と関連付けてゲームの時代的背景が2017年であると仮定し、ナツキの年齢と照らし合わせると、その被検体は女子生徒ぐらいの年齢になる。

また登場ヒロイン全員がプロジェクト・リビティーナ被験者1人を素体とした記憶の断片であるとしたら、当該被験者は家庭内暴力に遭い(ナツキ)、うつ病を患っていて(サヨリ)、ナイフで自傷行為を試み(ユリ)、ある研究団体、あるいは実験団体に被験者として連れていかれ、実験を通じて「第三の目(モニカ)」を覚醒させたという一つの物語が出来上がる。

1人の記憶を基にしているが、4人ともに性格が異なるのは、該当データを入れて、プレイヤーに愛されるヒロインとして再構築し、それぞれの区別を容易にしようとしたからということになる。要するに、1人の記憶を4等分してゲームのヒロインのデータとして作り直したということだ。

この仮説が正しければ、ヒロインたちの性別はプロジェクト・リビティーナの被験者と同じで、成人ではないという共通点もあり、chr解析によってユリを除いたヒロイン3人のchrから出てくるものすべてがプロジェクト・リビティーナ、第三の目と関連していることが分かる。

登場ヒロインの一人、あるいは複数人がリビティーナであるという仮説をもとに、各ヒロインの身長や体格から、リビティーナの人生を間接的に見ることができるという仮説も出た。

作中の体格を小さい順に並べるとナツキ、サヨリ、モニカ、ユリの順に並べることができるが、この順序といくつかの仮説を組み合わせてみると、ユリは第三の目を得た後のリビティーナの可能性があるというのだ。

自傷行為は「第三の目」を得た後、人間が得ることも聞くことも見ることもできない知識の片鱗を手にし、間接的に命を絶ちたいというメッセージに見えるとのこと。yuri.chrにプロジェクト・リビティーナ関連のデータがないのは、既に実験や研究が被験者の成長によって、モニカ程度の体格を持った年齢になった時点で完了したためという見解もある。

その他にもnatsuki.chrのデータから出る画像の女性の目に生気がなく、焦点と瞳孔が非常にかすかであることに注目すると、第三の目を得ると人間としての視覚を失う代わりにすべてを見通すことができる心眼、あるいは透視能力が得られるのではないかという意見もある。

ゲーム内でユリが見せたマルコフの肖像に出てくる実験団体は元々、宗教団体であり、このマルコフの肖像とプロジェクト・リビティーナを関連付けて、「第三の目」は神が人類を見つめる万能の視野、千里眼、未来視、予知眼などを象徴し、プロジェクト・リビティーナはこの神のような能力を人工的に得ることができる実験、あるいは研究であると推測する意見も出ている。

かなり信憑性のある推論で、その理由として、各種メディアや媒体、小説などにおいて科学と宗教の二つの特性を持つ組織あるいは団体は多くの場合、人間の力で神の境地への到達を試みる実験を行っている。この推論が確証の場合、当該団体は超能力を持つ人間=プロジェクト・リビティーナという人体実験を成功させたことがわかる。

 

新作はモニカが主人公、ユリが悪役説

YouTubeで「The Game Theorists」チャンネルを運営するゲームレビューストリーマー、MatPatも本作レビューでこの部分を取り扱っているが、こちらはダン・サルバトが製作中かもしれない新作(?)のARG説を強調している。

出典:The Final Theory – Doki Doki Literature Club : DDLC

2つ目の動画ではリビティーナ(エリッサ)=ユリという仮説を立てている。年齢的に見るとユリのほうが妥当で、これをより確信する2つの証拠として、公式グッズオンラインショップのアートワークを指摘。本作のキャラクターたちが描かれたアートワーク4種を見ると、ユリを除いた残りのキャラクターは血の糸でつながっているが、ユリだけが血の糸につながっておらず、むしろユリの胸元に咲いたかのように描かれた血の花から血の糸が出ている。

もう1つの証拠として公式ポスターのアートワークで、夕日が差す教室を背景に、ユリがナイフにふれて座っている姿で、ユリの後ろの黒板に正体不明の落書きがあり、ユリの横に何かが赤く走り書きされており、目は状況的に第三の目を意味し、その第三の目を形象化した絵の近くにhelp meの文がある。

それだけでなく、該当のアートワークではユリはかなり落ち着きのある姿を見せており、これは作中の不安定さと自身を破滅に追い込んだ姿を考えると、常軌を逸している。この2つがリビティーナ=ユリ説を、より確信にさせる根拠として挙げている。

さらにMatPatは、本作が無料でリリースされた理由は、ドキドキ文芸部自体が次回作のためのバイラル/ARG性の広報目的である可能性を指摘し、仮にダン・サルバトの次回作が出るならモニカ(あるいはサヨリや新しい人物)が主人公で、ユリは次回作の悪役(ユリ=リビティーナ)ではないかということを提起している。

さらに上述したようにリビティーナという名前はローマ神話の死と葬儀の神から取ってきたもので、英米圏では葬儀場に置く花としてゆりが使われる。

そして「モニカ」は英米圏で使われる名前で、最も代表的な人物は「聖女モニカ(Saint Monica)」。カトリック教の聖女であり、キリスト教の三賢母の一人だ。この女性は異教徒(マニ教)に傾倒した息子をキリスト教に改宗させた人物だが、これは死と葬儀の神リビティーナとは区別される特徴だろう。

新作説をさらに裏付けるものとして、Reddit民からダン・サルバトへの質疑応答で、(2017年11月時点で)これ以上のドキドキ文芸部関連のアップデートはないという回答も新作ティーザー説を裏付けている。

しかし新作についてダン・サルバト本人は「まだ十分には言えないが、ドキドキ文芸部と関係のない新作を開発中だ。」と話している。ところが(該当の隠しメッセージについて)ダン・サルバト本人は、関連コンテンツはARGというより、ちょっとしたメッセージに近いものと言っている。 これはぼかしての発言なのか、それとも本当に新作がドキドキ文芸部と無関係なのかは、時間が経ってみないと分からない。

ひとまずファンとしては、意味のない隠しメッセージと捉えるにはあまりに量が多く、上記のユリのポスターの第三の目などから、ドキドキ文芸部と関係があると見ている。こういった奥深くダークな関連性はファンの好みに合っているはずだ。

 

ドキドキ文芸部の続編はない?

2020年、サルバトは2つのゲームを作っていると言い、1つはドキドキ文芸部コンテンツ(続作ではないらしい)、1つはドキドキ文芸部と関係のない新しいゲームを作っているとのこと。

現時点での考察(妄想)を簡潔にまとめるとこうだ。 製作者サルバトの次回作はプロジェクト・リビティーナでほぼ確実であり、主人公はドキドキ文芸部のモニカ、悪役はユリ。ドキドキ文芸部はプロジェクト・リビティーナのためのARG式の宣伝ゲームということだ。

しかし製作者、または彼と親交のある関係者は上記の内容を否定している。だがドキドキ文芸部の隠しメッセージが膨大かつ、意味のないものと捉えるにはあまりにもクオリティが高い。

プロジェクト・リビティーナとドキドキ文芸部の世界がつながることはないだろうが、何かしらでドキドキ文芸部と関わる1つの物語となるだろう。

 

 

別考察

Doki Doki Literature Club Wiki | Fandom

こちらのページを一部和訳したものです

マルコフとは何か

プロジェクト・リビティーナは、ユリが読んでいる本「マルコフの肖像」をベースにしている可能性がある。

ユリの説明によると、この本は人体実験を行う監獄を扱っており、現在の情報とウェブサイト(http://projectlibitina.com)を見ると、リビティーナは以前この監獄で実験されていたと考えてよさそうだ。またこの本の表紙には不吉な目のマークが描かれている(ゲーム中の様々な詩や、プロジェクト・リビティーナのサイトに掲載されているレポートで言及されている「第三の目」の可能性もある)。3周目でモニカが「ネタバレになるから話せない」と言っていることからも、この2つが関係していることがうかがえる。

「マルコフの肖像」は、「マルコフ連鎖」や「マルコフ過程」と呼ばれる確率過程を生み出したことで知られるロシアの数学者、アンドレイ・マルコフのことを指しているかもしれない。この「マルコフ過程」とは、誕生から死までの状態など、ある変数とその間の状態がテストされることを言う。プロジェクト・リビティーナのサイトには、複数の異質で特殊な変数とその状態を調べたテストの記録がある。

また「リビティーナ」という名前は、ローマの同名の女神にちなんだものである可能性が高い。女神リビティーナは古代ローマの葬儀・埋葬の女神であり、死と金星を象徴する。

 

何も現実でない?

特別な詩 「何も現実でない?」は、今後発売される新しいゲームのヒントかもしれない。またこの詩に出てくるキャラクターはゲームには出てきておらず、ユリが話す本と関係があるかもしれない。この詩がある理由はほとんどわかっていない。

「何も現実でない?」という文はモニカがプレイヤーに語った、すべてがゲームであることに気づいた時の気持ちを表しているかもしれない。

 

備考

隠しメッセージ一覧

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