ドキドキ文芸部プラス サイドストーリーのネタバレ

ドキドキ文芸部プラスでは本編とは別に、サイドストーリーが追加されています。話は全部で7つあり、7つ目の平等は信頼~自己愛を全て読み終えることでアンロックされます。

サイドストーリーにホラー要素はなく、文芸部員4人の友情が書かれたものとなっています。尊重やバランス、内省など各テーマに分かれていますが、1つの話としてつながっており、平等を読み終えるとエンディングが流れます。

モニカが文芸部を立ち上げ、部員たち3人が集まり、文化祭が近づいてきたところまでの話となっています。サイドストーリーには専用の音楽が使われており、本編とは違った雰囲気を味わうことができます。

サイドストーリー

信頼 モニカ×サヨリ

・パート1

1人部室にいるモニカは、以前所属していたディベート部が恋しくなります。それは新しく文芸部を立ち上げたものの、誰も入部しに来ないことで自信を失っていたからです。

自分で作った部員募集のチラシを眺め、どうしたらいいか考えますが、夜更かしが続いていたため、ウトウトとして眠ってしまいます。

そこにサヨリが現れ、モニカに声をかけます。寝ていたモニカを見て、サヨリはお昼寝部かと考えますが、モニカから文芸部と聞いて安心します。

サヨリは入部したいことをモニカに伝えますが、モニカはこれを素直に受け入れられません。まだ部員がいなく、部活動として何かしているわけでもない現状の申し訳なさから、部員が増えた頃にまた来てほしいとサヨリに言います。

しかしサヨリは、今すぐ入部したい、モニカの手伝いがしたいと熱意を示します。

これを聞いたモニカはサヨリを部員として迎え入れます。そして新しい部員を勧誘するためのアイデアを考えようと提案し、この日の部活は終わります。

翌日、2人は部室に集まります。サヨリから紙を渡されたモニカは、紙を見てみると詩が書かれています。タイトルは「私の手をとって」。

モニカはサヨリが書いたこの詩を絶賛しますが、サヨリが見せたかったのは裏面にある新入部員を勧誘するアイデアについてでした。

まだ見せるつもりのなかった詩を見せてしまったサヨリは恥ずかしい思いをしつつ、詩はよく書くとモニカに話します。

サヨリの詩の出来に感心するモニカは、サヨリのアイデアが書かれた裏面を見ます。内容は「カップケーキを作る」、「読書してる人を探す」、「チラシを配る」の3つ。

たくさんのアイデアを思いつくサヨリをモニカは褒め、文芸部のビジョンについて考えます。

するとサヨリが突然、自分の教室に荷物をすべて置いてきてしまったと言って、取りに行ってくると部室を飛び出していきます。

しばらくして戻ってきたサヨリは、本を読んでいる学生を見かけたと言って、勧誘に行こうとモニカに呼びかけます。

サヨリとモニカは、本を読んでいる女子生徒のいる教室へ行き、モニカは女子生徒の机の上に文芸部のチラシを置いていきます。

文芸部に興味を持ってくれることを願い、2人は部室へ戻り、再び勧誘のアイデアについて話し合います。

時間も経った頃、部活の終わりをモニカが告げ、2人は解散します。サヨリが先に帰り、1人残ったモニカは床にファイルが落ちているのに気づきます。

おそらくサヨリのものだと考え、誰のものか確認するために中を見てみると、1枚の詩が出てきます。

タイトルは「花になろう」。誰かの幸せのために死ぬ花のようになりたい、という内容の詩を見て、モニカはサヨリのことが心配になります。

・パート2

今日もいつも通り部活が始まりますが、サヨリの詩を読んでしまったモニカは罪悪感と不安に悩まされます。

そこにサヨリが笑顔で部室にやってきます。しかし様子のおかしいモニカを見つけると、笑顔はなくなります。

突然謝るモニカに戸惑うも、自分が忘れてきたファイルの詩をモニカが読んだことを悟ります。

そしてサヨリの心配をするモニカに、自分のことで気を使ってほしくないとサヨリは言います。モニカはそんなサヨリの気持ちを受け入れ、必要な時はそばにいたいことをサヨリに伝えます。

サヨリもまたモニカの気持ちを受け入れ、2人の話が落ち着いたところで今日の部活動が始まります。今日の活動は新入部員の勧誘ではなく、サヨリから詩を教えてもらいます。

サヨリは自分なりの詩の書き方やコツをモニカにアドバイスし、モニカはそれに従いながら、詩を書く練習をします。

練習を終えてまだ時間が残っていたので、チラシ作りに取りかかります。勧誘の計画を練ったり、文芸部のビジョンを思い描くにつれ、モニカとサヨリの関係は確かなものとなり、文芸部の軸も固まっていきます。

新入部員を得られるのも遠くない、そう感じるようになりました。

ある日の部活動。自分を表現することに難しさを感じるモニカは、詩を書くことに行き詰っていました。そこにサヨリが部室へやって来て、落ち込むモニカを励まします。

そしてサヨリは時々死にたい気持ちになることを、モニカに打ち明けます。みんなが幸せであることが自分にとっての一番の望みで、人から心配されると気持ちがおかしくなってしまうと、自分の心情を語ります。

段々と重苦しい表情になっていくサヨリを見たモニカは、サヨリのほうへ歩み寄ってハグを提案します。するとサヨリは自分の額を、モニカの肩の上に乗せます。

モニカはサヨリにやさしい言葉をかけ、それを聞いたサヨリは、呼吸が震え、何度も深呼吸をしながら懸命に話し始めようとします。

そしてこもった声で、自分の思いを口にします。

自分は役立たずで、みんなにとって迷惑な人間だ、自分のせいでみんなが我慢しているんだと感じるのが嫌と話します。今もモニカに我慢させているから、死んでしまいたいと涙を流します。

冷静さを失っているサヨリをモニカはなだめ、サヨリが文芸部に来てくれたことは最高の出来事で、幸せをもたらしてくれたと話します。そしてしばらくの間、サヨリを抱きしめます。

呼吸が落ち着き、泣き止んだサヨリは頭を上げて涙を拭います。

落ち着きを取り戻したサヨリに、専門の人に相談するのはどうかモニカは聞きます。人に話すのは大変だとサヨリは恐れており、モニカはもし行く気になったら、全力でサポートすることをサヨリに伝えます。

サヨリはモニカにお礼を言い、あくびと伸びをします。すっかり落ち着いたサヨリとモニカは、今日の部活動について話をします。

すると部室のドアの開く音が聞こえ、2人は振り返ります。ドアが半分開くと、そこには見覚えのある顔がこちらを覗いています。

理解 サヨリ×ユリ

・パート1

見覚えのある女子生徒が部室を訪れ、サヨリとモニカは歓迎します。そしてお互いの自己紹介をするために近くの席に座り、サヨリが名前を尋ねます。

女子生徒はユリと答え、ファンタジーは好きか2人に聞きます。アナベル・デュポンの作品が好きで、素晴らしい体験ができると言って、今持っている分厚い本を2人に薦めます。

ユリのファンタジー本への熱心な姿勢に2人は戸惑うも、新たな部員が来たことに喜びます。モニカは、ユリが文芸部で楽しんでもらえるよう、一緒に過ごすことをサヨリに頼みます。

了承したサヨリは、ユリにいろいろと質問をします。文芸部に入ろうと思ったのは読書が好きで、同じ趣味を持つ人を見つけるチャンスだと思ったからとユリは答えます。

また森や公園を歩いて周りに人がいない場所に行くことも好きで、自然にいると安らぐとサヨリに話します。

サヨリも自然が好きで、自然部を作りたいとモニカに言いますが、副部長に任命されてしまったため、諦めることに。

ちなみにサヨリはコラージュや飾りつけ、カード、宝石箱などをハンドメイドで作ることが好きだとユリに話しています。

話の流れで次の部活では、ユリの薦めるファンタジーの本を一緒に読むことになりました。

次の日、部活動の時間になり、サヨリのいる部室にユリがやってきます。しかしユリは、サヨリが一緒に本を読みたいと言ったのは、自分にただ気を使って話を合わせていたのだろうと考えていて、サヨリに謝ります。

サヨリはユリと楽しく過ごしたい思いと、まだ部活動らしいことをしていないから、と一緒に読む理由を、ユリに説明します。

サヨリの好意をなかなか素直に受け入れられないユリですが、2人は前日の約束通り一緒に本を読むことになります。

「ダスクベル・エヴァーラストサーガ第一章」とカバーに書かれている本を開き、ユリがメモを取っているのを参考にしながら、サヨリは読み進めていきます。

チャプターの終わりまで読んだところで一区切りとし、ユリはサヨリに感想を尋ねます。

読むのにすごく時間がかかるから頑張って読んで、ユリちゃんのことを理解したいとサヨリは答えます。

それを聞いたユリは、静かに荷物をまとめ始めます。「明日も続きを読むんだよね」と聞くサヨリに、「明日は別のことをしましょう、これ以上一緒に読みたくない」とサヨリを拒絶します。

無理強いさせたことをサヨリに謝り、ユリは教室から出ていきます。1人教室に残されたサヨリは、自分が何かおかしなことを言ってユリちゃんを傷つけてしまった、と自分を責めます。

自分がもっと頭がよければ、きっとユリちゃんも楽しめていた。もっと勉強しなきゃ、とサヨリは考えます。

・パート2

次の日、部室に一番乗りでやってきたサヨリに落ち着きはありません。昨日の出来事で、ユリは今日部活に来ないのではないかと心配しているからです。

一方、文芸部に関係のない手伝いを終えたモニカは廊下を歩き、部室へ向かっています。すると部室の前の廊下で、ユリが座って本を読んでいるのを見つけます。

教室に入るのをためらっているユリを見てモニカは、サヨリとユリがうまくいっていないのではと考えます。

モニカの手伝いをしたいと言うユリに、じゃあ新しいチラシの貼り替えに校内の掲示板を歩いて回ろうと提案します。

ユリはうなずき、モニカと一緒に校内を歩いていきます。歩きながら、モニカは部活のことで色々とユリに聞きます。その中で、ユリは自分の趣味をサヨリに押しつけてしまっていることをモニカに話します。

そして人との接し方がわからないことで悩んでおり、自分のことで同情されたくない、普通の人と同じように接してほしいとモニカに打ち明けます。

それを聞いたモニカは、このことはサヨリにも言うべきとユリに言います。最初は嫌がるユリですが、人を避け続けてきた過去の自分を変えるため、言うことを決断します。

話を聞いてくれたモニカにお礼を言い、チラシを貼り終えた後に部室の前まで戻ります。モニカは気を使い、校舎を歩いてくると言って、去ろうとします。

コーヒーか何か飲みたいものはあるかユリに尋ねると、お茶が好きだと話し、部室ではお茶が淹れられないことを残念そうにします。

するとモニカは、ティーセットを部室に置くことを学校に許可してもらえないか掛け合ってみることを、ユリに伝えます。そしてユリを励まし、去っていきます。

深呼吸をして、ユリは部室の中へと入っていきます。すると自分が薦めた本を熱心に読み、たくさんのメモを取っていたサヨリを見て絶望します。

自分に同情しているから読んでいるだけと思ったユリは、「こんなことしないで。」とサヨリに言うと、膝が崩れてしまい涙がこぼれます。

部室を出ていくために立ち上がろうとするユリを、サヨリが両手で後ろから包み込みます。そしてサヨリは、人との接し方がわからないこと、普通の人としての振舞いかたがわからないこと、人と仲良くなりたいというユリの悩みを知ります。

ユリの本心を知ることができたサヨリはユリにお礼を言い、社交的に振る舞わなくてもいい、そのままのユリが好きで、ユリが薦めた本も読みたいから読んでいると答えます。

気持ちが段々と落ち着いてきたユリは、サヨリの気持ちも分かった、また一緒に本を読み進めていこうとサヨリに言います。

そしてモニカが部室に戻ってきて、2人が仲直りできたことにほっとします。ユリはサヨリに、自分のために本を頑張って読んでくれたので、お礼がしたいと言います。

するとサヨリはユリに、詩は好きか尋ねます。

尊重 ナツキ×モニカ

・パート1

ユリが加入して、文芸部が正式な部として認められてから、数週間が経ちます。ある日、突然部室のドアが開いて、1人の少女が教室に入ってきます。

入部希望ということでモニカたちは歓迎し、お茶を淹れたり席へ案内したりします。そして自己紹介を始めます。

入部希望者の名前はナツキ。好きなことは音楽を聴くことや、繁華街を歩き回ることで、他人の好きなアイスクリームの味を当てるのが得意と話します。

サヨリはクッキー・ドウ、モニカはバニラが好きと実際に当ててみせ、サヨリたちを驚かせます。ユリに関しては何が好きかわからず、抹茶ではないかと冗談で言います。

文学に関するもので何が好きかモニカは尋ねますが、ナツキは困ったような反応をして、マンガが好きと言います。

マンガは文学とは認められないモニカは、ナツキに他に文学らしい興味はないか聞き、アニメ研究会に入らないのか尋ねます。

アニメ研究会ではなく文芸部に入りたいナツキは、自分のマンガを置かせてくれて、放課後の時間を潰せるなら、モニカのやりたいことに従うと頼み込みます。

ナツキの頼みを渋々モニカは了承し、ナツキは早速マンガを取りに、自分のロッカーへ向かうために教室を出ていきます。

文学に興味があるとは思えないナツキに、モニカは心配します。そして大量のマンガを持って帰ってきた姿を見て、部が堕落してしまう前に部活動を本格的に始めなければいけないと考えます。

次の日、マンガをクローゼットに並べているナツキに、モニカはストレスを感じます。そして部員が全員集まったところで、部の活動としてグループでできそうなことを話し合います。

サヨリは、自分が好きな文学について毎日1人ずつ発表するのはどうかと提案します。するとモニカは、部員それぞれが読みたい本に投票して興味の幅を広げていくべきと話します。

モニカの案はどこか自分のことを言われている気がしたナツキは、モニカに意見します。そしてマンガを文学と認めないモニカは、他に興味のある文学は本当にないか改めてナツキに聞きます。すると、モニカは私がここにいてほしくないんだと察したナツキは部を辞めると言って、部室を出ていきます。

サヨリはナツキを追いかけ、モニカはナツキは文芸部に向いていないと考えます。そしてクローゼットに向かったモニカは、どこまでが文学なのか自分に問いかけます。

そしてナツキのマンガを適当に1冊取り出し、「ちょっとだけ。」と言って読み始めます。

・パート2

モニカと意見が合わず、教室を出たナツキは別の部を探すとサヨリに伝えます。しかしナツキに辞めないでほしいサヨリは、副部長としてなんとかしたいと言ってナツキを引き止めます。

そもそもなぜ入部しようと思ったのかナツキに尋ねると、文芸部の勧誘ポスターに「自分が自分らしくいられる」と書かれていたから興味を持ったことと、書くこと自体は好きだと答えます。

それを聞いたサヨリはやはりナツキは文芸部にいるべきと考え、そのためにできることはなんでもするとナツキに約束します。

翌日の昼休み、モニカはナツキに謝るために学校を探し回ります。するとナツキの明るい髪のおかげでナツキを見つけ、声をかけようとするも、すでに友だちと話していました。

ナツキと話している友だちは、ナツキが文芸部に入ったことをめでたく言うも、どこか見下しているような物言いです。

マンガというくだらないものを捨てられ大人になれたし、文芸部に入っていつか有名な作家になったら、ナツキが以前書いていたエッチな二次創作を買ってあげると、冗談の体で話しています。

ナツキと友人たちの会話を聞いたモニカはこのやり取りをひどいと感じ、自分自身も同じことをサヨリにしていたと、自分の考えを反省します。

放課後モニカは、文芸部ではナツキの自由にさせるとユリとサヨリに言い、明日ナツキを部室に連れてくるよう、サヨリに頼みます。そしてピアノを弾くために、モニカは音楽室へ向かいます。

翌日の部活動の時間。マンガという文学について専門家から学ぼうということで、モニカはサヨリに連れられて来たナツキにお願いをします。

状況を理解できないナツキは、無理に合わせてるだけじゃないのか、サヨリに言われてやっているだけではないのかとモニカに聞きます。

モニカはこれまでの自分の間違いをナツキに謝り、マンガは文学であることを認めます。それを聞いたナツキは、自分が部にいても良いと理解し、マンガについて話し始めます。

1週間が経った頃、モニカはナツキに見せたいものがあると言って、音楽室へと案内します。

音楽室へ入り、ナツキのおかげで様々な気づきが得られたとモニカが話し始めます。そして自分に正直なナツキの影響を受け、ピアノを始めてみたと言って、お礼を込めて1曲演奏します。

曲名は「My Song, Your Note」(私の歌、あなたの音符)。文芸部に向けた曲です。

ナツキはモニカの演奏を絶賛し、明日は文芸部のためにちょっとしたものを持っていくと言って、演奏のお礼をします。

翌日、ナツキの作ったお菓子とともに、文芸部員たちは楽しい時間を過ごすことができました。

バランス サヨリ×ナツキ

・パート1

ナツキが入部したことで、文芸部は本格的にスタートしました。次の部活動では、部員たちが各自紹介した文芸作品に、実際にふれてみようというもの。

これまでユリのファンタジー小説を読んできたサヨリは、ナツキのマンガを読む機会ができて、とても楽しみにしています。

そんなサヨリのために、ナツキは「愛は運任せ」というコメディ漫画をサヨリに渡します。

部活が終わり、ナツキともっと仲良くなりたいサヨリは、ナツキに嫌われてないか少し心配なことをモニカに相談します。

嫌われてなんかいないとモニカは励まし、ナツキはきっと恥ずかしがり屋なんだとサヨリを肯定します。

それを聞いてホッとしたサヨリは、次の部活からしばらくの間、ナツキのもとへやってきます。

しかしナツキのほうは内心、サヨリの事で息苦しさを感じており、その事をモニカに話します。サヨリと一緒にいるのは楽しいけど、会ったばかりなのに暖かく接してくれる姿勢に戸惑っているとのこと。

時々は放っておいてほしいと言うナツキにモニカは、サヨリに何か他の活動をするようお願いしようか提案します。

それを断るナツキに、「あなたならきっとやるべき、正しいことを見出せるわ。」と言ってモニカは励まします。

ナツキはモニカにお礼を言って、部室を出ていきます。モニカはきっとうまくいくと、2人を信じます。

・パート2

昼休み、昼食を買いに食堂へ向かうサヨリ。歩いていると、友人といるナツキを見つけたので、手を振ります。

しかし、ナツキは目が合ったにも関わらずサヨリを無視し、そのまま行ってしまいます。

確かに目が合ったはずなのに、目をそらして去っていったナツキを見て、サヨリは不安になります。

放課後、部室にはモニカとナツキがおり、部室の前の廊下にはサヨリがいます。昼休みのことで部室になかなか入れずにいるサヨリですが、部活にやってきたユリに声をかけられます。

サヨリは昼休みの出来事をユリに話し、ユリは人との距離感についての自分なりの考えをサヨリに伝えます。

「サヨリちゃんは友だちと一緒に過ごすことを望みますが、私は一人の時間を重んじます。このように人それぞれ考え方は違うから、ナツキちゃんにもナツキちゃんのペースがあるのではないか。」とユリは話します。

それを聞いたサヨリは、ナツキを振り回していた自分を反省し、今日の部活は1人で過ごすことを決めます。

そしてユリとサヨリは部室へ入り、サヨリはナツキのもとへは行かず、1人でマンガを読み始めます。ナツキは何か書き物をしています。

部活が終わってユリとモニカは帰り、部室にはサヨリとナツキが残っています。マンガをクローゼットへ戻すサヨリですが、戻す位置が違っていたため、ナツキに置き直されます。

サヨリは謝り、また明日と言って部室を出ていきます。ナツキは自分とは友だちになりたくないんだと感じたサヨリは落ち込みます。

サヨリが廊下に出ると、突然ナツキがサヨリを呼び止めます。話したい事がいっぱいあると言って、サヨリと廊下で話します。

昼休みにサヨリを無視したことと、最近感じ悪く接していたことを謝り、サヨリのために書いた詩を差し出します。タイトルは「世界で一番の場所」。

自分のために詩を書いてくれたことをサヨリは心から喜び、ナツキにくっつきすぎていたことを謝ります。

ナツキからも、程よい距離感でいたいことをサヨリに伝え、2人のギクシャクとしていた関係は元に戻ります。

そして2人は、サヨリに薦めたマンガ「愛は運任せ」のことを語り合いながら、廊下を歩いていきます。

内省 ユリ×モニカ

・パート1

読書をしているユリに、モニカは声をかけます。ナツキとサヨリが2人で楽しそうに遊んでいる姿を見て、「あの二人、仲良くなったと思わない?」と嬉しそうにユリに話します。

ユリも同意し、あの二人は元気のある人たちだから、うまくやれたんだろうと話します。

あまりユリと接する機会がなかったモニカは、ユリにお昼の過ごし方や本のことについて尋ねて、交流を図ります。

するとナツキも会話に加わり、ファンタジー小説とマンガの話になって、ユリの読むような本は私には退屈すぎる、と悪意なく言います。

しかしユリは、ナツキの言葉に気分を害します。ナツキが去った後、思いやりをもって接してほしいことをモニカに伝えます。

不快そうにするユリを見たモニカは、部長として2人の問題を取り持とうと、話し合いの場を設けることを考えます。

そして次の部活動の日、特別ミーティングということで、会話の時の相手に気を配る大切さについての話し合いを行います。

例えとして、さくらんぼが好きなサヨリに対し、「さくらんぼなんて、どうせおいしくないんでしょ?」とモニカは言います。ショックを受けて悲しむサヨリに、悲しいと思うのは自分の意見を攻撃されたと感じたからとモニカは説明します。

勝手な想像ではなく、自分の気持ちを話すことで衝突は避けられると、モニカは部員たちに話します。今回の例だと「食べてみたけど、味が合わなかった。私が楽しめるような味じゃなかった」と伝えるのが良いとモニカは言います。

そしてナツキとユリの問題について話は移ります。しかし2人の会話はうまくいきません。マンガよりももっと高尚なものを読みたいとユリは言い、ユリの小説はつまらなかったとナツキは言って、2人の関係はさらにこじれます。

ユリは荷物をまとめます。そして次からは他人の悩みを解決しようなんて思わないでとモニカに言って、部室を出ていきます。

完全に失敗してしまった今回のミーティングをモニカは反省し、サヨリはみんな仲良しでいてほしいと誰も責めることはせず、ナツキはもうユリのことで気にせずマンガが読めると言います。

解決策が見いだせないまま、この日の部活動は終わります。

・パート2

部室へ一番乗りでやってきたサヨリ。心に浮かんだことをメモに書いている時に、後ろからナツキに声をかけられます。

驚いたサヨリはナツキに挨拶を返し、昨日のミーティングのことを振り返ります。そしてユリとの間で起きたトラブルについて考えます。

マンガも小説も、この文芸部にあっていいと考えるサヨリに、どうしてサヨリは誰とでもうまく付き合えるのかナツキは尋ねます。

自分の感情をルームメイトに例え、ルームメイトと話し合って相手の事を理解し、良い方向に進むように考えるとうまくいくとサヨリは答えます。

またその考えに至ったのは、一緒に暮らすのが大変なうつ病というルームメイトが、自分の心にいることを明かします。

サヨリの優しさを受けたナツキは、アンタみたいになりたいと話し、「ユリちゃんはきっと、ナツキちゃんのことを理解してくれるよ」とナツキを励まします。

一方、モニカは廊下でユリを見つけます。昨日の事で怒られると思っていたユリは怒らないでほしいとモニカに訴えます。

謝りたいだけと答えるモニカに、ユリはホッとし、昨日のミーティングでの自分の過ちを振り返ります。

ナツキに怒りを感じてしまう自分は間違っていると言うユリに、自分の感情と仲良くできれば部のみんなと仲良くなれるきっかけになると思うと、モニカはアドバイスします。

ユリはとても優しい人で、きっとナツキにもそれが伝わると、モニカはユリを励まします。するとユリは、ナツキのために手紙を書くことを決めます。

後日の昼休み、モニカのいるクラスにやってきたユリは、手紙の書き方を教えてほしいとモニカにお願いをします。

快く引き受けたモニカは、手紙が書ける場所をユリと一緒に探します。誰もいない教室を見つけると二人は中に入り、1つの机に2つの椅子を並べて、手紙を書き始めます。

二人はペンを持ち、ユリが左利きなのを知ったモニカは、腕がぶつかる心配がないと言って楽しそうにします。

そして手紙の書き方についてユリにアドバイスし、ユリはそれに従いながら書いていきます。

ファンタジー小説が好きな人を見つけるために文芸部に入部したのに、自分のことを大切に思ってくれる友達を得られたことを、ユリはモニカに伝えます。

モニカはそれを聞いて、「あなたはあなたのままでいてね」とユリに優しく言います。

昼休みの時間が迫ってきたため、手紙を書くのを中断して二人は席を立ちます。手紙はモニカからナツキへ渡すことになり、手紙の中身を読まないよう、モニカにお願いします。

書けなかった分を仕上げたらまた連絡するとユリはモニカに言って、二人は教室を後にします。

自己愛 ナツキ×ユリ

・パート1

手紙がナツキのもとへ届いたことを聞いたユリは、どんな結末になるか不安でいます。昼休み、人のいない場所で過ごそうと、メンテナンス中の階段に座って本を読みます。

一人の時間に安らぎを感じている時、不意にナツキと遭遇します。好きな飲み物を買おうと階段近くの自販機に寄ろうとしたら、ユリがいたとナツキは話します。

自販機でアイスティーを買ったナツキはユリの近くに座り、ぎこちなくもユリと会話を続けます。そして昼休みが終わり、ナツキは飲み終えたアイスティーの空き缶を持って、うまく会話できなかったことを謝ります。

ユリはナツキを否定せず、否定しなかったユリにナツキは感謝します。そして二人はその場を去ります。

翌日、ナツキは再びユリのいる階段近くの自販機を訪れ、飲み物を買います。今日は新刊のマンガを持ってきており、階段に座っているユリの近くに座って一緒に読書をします。

文芸部とは別の友だちからマンガのことでうるさく言われるので、ここで静かに読みたいとナツキは言います。

もし共通の趣味の友だちがいないなら、ネットで友だちを作るのは良いと、ナツキはユリにすすめます。ユリも中学からのネット友だちがいることをナツキに話します。

中学の頃はバカだったと、お互い過去のことを振り返り、そして昼休みの間を本を読んで過ごします。

そして次の日もまたナツキはやってきます。ユリはナツキのためにアイスティーを買ってきており、ナツキはその事でユリにお礼を言います。

ナツキは文芸部に入ってから最近、友だちとは仲が悪くなっていることをユリに話します。

ユリは、ナツキを傷つけるその友だちのことをよく思っておらず、友だちを悪く言います。するとナツキは怒ります。

ナツキとしては、友だちは自分を傷つけようとしているのではなく、ただからかっているだけと話します。

からかう行為を好まないユリは、ナツキを心配します。そんなユリを見て、自分のことをそんなに心配しなくていいとナツキは言って、なぜそんなに本を読むのが好きなのかユリに尋ねます。

本を読むのは、物語の一部になりたいと思うほど没入感がすごく、登場人物のそばにいたいと思えるからとユリは答えます。

それを聞いたナツキは、本の登場人物と友だちになりたいと思ったことはあるか、ユリに聞きます。

いつも思っていると答えるユリに、自分もすごく思っているとナツキは自分の気持ちを打ち明けます。

・パート2

いつものように階段で会うナツキとユリ。今日のナツキはカップケーキを作ってきており、ユリにもおすそ分けをします。

どうしてお菓子作りにハマったのかユリは聞き、お菓子作りをよくするマンガの影響で、一時期はほとんど毎日作っていたとナツキは答えます。

またお菓子を作ることで無償で人を幸せにできることも、お菓子作りが好きな理由の一つと話します。

お菓子を振る舞うことで、自分が喜びをもたらせる人間になったように感じるとナツキは話しています。

話は変わり、友だちと仲直りはできたのかユリはナツキに尋ねます。別にケンカをしたわけではないと答えるナツキですが、どこか悩みを抱えている様子です。

楽しいこともあるけれど、自分のことであれこれ言ってきたり、からかってくる友だちにナツキは複雑な思いを抱いており、カップケーキ目的でナツキと付き合っているだけではないかと、ユリは推測します。

ナツキは友だちとの関わりについてユリに話していくうちに、友だちとは縁を切ることを決断します。

しかし縁を切ることで、話したり出かけたりする相手がいなくなるのでは、と不安になります。

そんなナツキをユリは元気づけ、ナツキはお礼として残りのカップケーキをユリにあげます。

別の日になり、また二人は階段で再会します。今日はマンガを持ってきているので、一緒に座って読書を始めます。

しばらく本のことについて話し、話題を変えて、週末はどこかへ出かけるのかナツキが尋ねます。

あまり外出はしないものの、ボードゲームのグループと交流をしに出かけたりはすると、ユリは答えます。

どうしてそんなことを聞くのか不思議に思うユリに、ただ聞いただけだからとナツキはとっさに言います。

そして友だちと縁を切ったことをユリに明かします。縁を切る内容のメッセージを送り、友だちの返事が怖いからブロックした、と涙を流しながらユリに語ります。

やがて苦しそうに呼吸をし始めたナツキは、ユリに助けを求めます。パニック発作と察したユリはナツキを落ち着かせようと、一緒に大きく呼吸をしたり、今いる場所は安全であることをナツキに伝えます。

しばらくするとナツキは落ち着きます。そしてユリは、あなたは一人ではないと言って、ナツキを励まします。そして、これから何かする時も決して一人ではない、と暗に自分が側にいることをナツキに伝えます。

それを聞いたナツキは、これからの週末を一緒に過ごすよう、ユリに言います。そしておいしいアイスクリーム屋さんを知っていると言って、ユリを誘います。

アイスクリームの話題で、ユリはチョコレートとラズベリーを組み合わせた味が好きだとナツキに話します。

抹茶だと予想していたナツキはユリの好みを意外に思い、次はチョコレートとイチゴを試してみたいとユリは続けます。

アイスクリーム屋にユリと行く予定ができて安心するナツキは、ユリに自分の気持ちを伝えます。

自分がどんな人と友だちになりたいのか、どう接してほしいのかを、ユリが書いたあの手紙を読んで少し理解できたと、話します。

だからユリのいる階段のところへやってきた、と本当の気持ちを伝え、ユリは恥ずかしそうにします。

そしてユリは、長編シリーズの本を読み終えそうだから、週末はナツキちゃんと本屋に行くのもいいかもしれない。と考えます。

平等 4人全員

部長モニカが部員たちの前で、部の方向性について考えようと提案します。文化祭の季節が近付いてきたので、文化祭で何をするかのヒントになるはずと話します。

それを聞いた部員たちは、モニカの考えに賛成します。そしてモニカは文化祭の日に、文芸部に入部して得られたことを人前で話してみるのはどうだろうと部員たちに尋ねます。

サヨリは快諾し、ユリはたじろぎつつもナツキが頑張って取り組もうとしている姿を見て、弱々しく賛成します。

全員が賛成したところで早速、入部して得られたことについてサヨリから発表します。

サヨリが入部したきっかけは、詩を誰かと見せ合って楽しむため。そして実際に入部したら孤独を感じることが減り、ユリやナツキと接してみて、人それぞれ求めているものは違うことを理解できたと話します。

友だちが一番大切と考えるサヨリは、新入部員がもし入ってきたら、その人に合った方法でお手伝いしたい、と笑顔で話します。

サヨリがいなかったら、文芸部に居続けていたかわからなかったと言うユリが、続いて発表します。ユリが入部したのは、自分と同じファンタジー好きを見つけるためだったと話します。

サヨリと仲良くなったことがきっかけに、人の事を理解しようと頑張るようになり、そして話すよりも書いたほうが自分の気持ちを伝えられるという発見もあったと話します。

自分は今幸せだと感じるユリに続いて、次はナツキが発表します。

文芸部以外での人間関係は良いものではなかったので、入部したことで精神的に楽になれたことを話します。

また部員のみんなが自分を理解してくれたことに感謝し、ひどい態度で接してきたことを涙を流しながら謝ります。

謝るナツキを見たモニカは、あなたのおかげでこの部はあると言い、ピアノを始めたのもナツキの影響であることを伝えます。サヨリやユリも、ナツキのおかげで自分は成長できたと言って、ナツキを励まします。

四人がお互いを尊重し合う会話が続く中、最後はモニカの番です。

モニカはこの文芸部を通して、自分の完璧主義な考えを改めることができたと話します。

部員みんな等しく素晴らしい人であることが、モニカにとって得られたものだと部員たちに伝えます。

するとサヨリが、大切なことを書き留めようとチョークを手に取ります。そして黒板に「信じ合うこと」、「距離を見つけること」と書きます。

続けてユリは「分かり合うこと」、「見つめ直すこと」と書き、モニカは「思いやること」、最後にナツキは「自分を好きになること」と書きます。

部員たちそれぞれが書きだした言葉を眺め、大切なのは文芸と友を想う心だよねとサヨリが言い、みんなも同意します。

そしてモニカが写真を撮ろうと言い、4人がくっついてシャッターを押すと、フラッシュが光ります。

集合写真を撮ったところで、みんなで詩を書くことになり、四人はそれぞれ自分の机に戻って書き始めます。

モニカは「心へ書き進むの。」と、独り言を呟きます。そして思考、記憶、ひらめきで頭を満たし、心の壁を乗り越えて書き始めます。

最後はサイドストーリー専用のエンディングが流れて、物語は完結します。

備考

サイドストーリーは本編が始まる前の話ではない

文芸部の立ち上げから、4人が集まるまでのお話ということで一見、主人公が文芸部に入る前の出来事のように思えますが、本編の設定と矛盾している点が多くあります。

例えば、サイドストーリーのサヨリは、詩を書くことが好きで文芸部に入部したとあります。しかし本編で、主人公はサヨリが文学に関心があったなんて気づいたことがないと言っています。

ユリはサイドストーリー内で、部員の1人として部活動に参加して自分の意見を述べるシーンが多くあります。しかし本編の2周目でナツキは、ユリは主人公が入部するまで誰かと喋ることなんてなかったと話しています。

また部として正式に認められるのは4人からなのに、サイドストーリーでは3人の時点で認められています。

他にも本編でナツキはユリと仲良くなりたいことを、主人公に伝えるシーンがありますが、サイドストーリーの自己愛ですでに仲良くなっているため、本編との矛盾が生じます。

回収率に応じて届くメールでも、サイドストーリーに関する矛盾について書かれています。

サイドストーリーは、ゲームのプログラムを操作できるモニカが作り出した本編とは別の世界なのかもしれません。

もしサイドストーリーが本編の始まる前の話だとしたら、かなり残酷なものになると思います。

サイドストーリーでモニカは部員たちとの友情を育んできたのに、本編で主人公を手に入れるために部員たちをどんどんと排除していくからです。

全部読み終えるのは4時間程度

各ストーリーはそこまで長くないので、7つすべて読み終えるのは4時間程度です。

本編との矛盾がいくつか見つかるくらいで、考察する部分もそんなにないので気軽に読むことができます。